星をおとす

感じたことをつらつらと

当たり前だった存在がいなくなるということ

KAT-TUNのことについて、担当でもないわたしが文章にするのはためらわれますが、どうしても残しておきたかったので、書きます。

 

4月になりました。東京は桜が満開で、新しい環境に飛び込む人たちの背中を押すように咲き誇っています。新社会人、新入生、新学年。わくわく、どきどき、少しの不安。そんな新しい出会いの日の1日前、3月31日。私の中で、今までそこに”いる”ことが当たり前であった存在がいなくなってしまいました。

 

KAT-TUN田口淳之介くんです。

 

私はKAT-TUNの担当ではないし、嵐やHey!Say!JUMPのような系統のアイドルが好きなので、正直昔のKAT-TUNのワイルドな雰囲気が少し苦手ではありました(不快に思う方いらっしゃったら、ごめんなさい)。でも、私が嵐を好きになった2007年あたり、いやもしかしたらもっと前から、確かに彼らは私の中で認識されていました。”いる”のが当たり前のアイドルだったのです。

今回の田口君の脱退発表は、先に脱退した2人よりも私にとっては衝撃的でした。なんせ、自分の見ていた音楽番組で、本人から脱退発表を宣言されたんですから。他グループなのに心が凍る思いがしました。田口くんの口から紡がれる言葉。亀梨くんが涙を浮かべながら、謝る姿。上田くん、中丸くんの引き攣った顔。もう田口くんを当たり前に見られる世界は終わってしまう。そして、ここにいるファンはどんな気持ちでKAT-TUNを、田口くんを見ているのか。正直、パフォーマンスが頭に入ってきませんでした。Twitterでファンの方が泣き崩れていた、騒然とした雰囲気が収まらなかったというレポを読んで、心が痛みました。

そして最後のMusicステーションのKAT-TUNのパフォーマンス。圧巻でした。Real Faceを4人で歌う姿、上田くんが田口くんを左腕でぐっと引き寄せた瞬間、たまらず泣きました。なんで、なんでと口から言葉が出てきました。曲が終わって暗転し、細い隙間の中後ろから差す光から3人のシルエットが出てきた時、涙が止まりませんでした。間奏での上田くんの涙に胸が締め付けられる思いがしました。ファンと同じように、メンバーも辛いんですよね。田口くんを抜いた新生KAT-TUN3人での新曲。デビュー曲と同じスガシカオさん作曲です。Real Faceのアンサーソング。これからは3人でKAT-TUNを作り上げていくんだという意志がひしひしと伝わってきました。華やかに舞い、散る桜が別れを暗示して、せつなくて、でもステージに立って歌い上げる3人の姿は最高に美しくて、本当に、本当に心に残るステージでした。

 

もしも神様がいて 過去を変えられるとして

”何も変えませんよ”って言える日々にしたいんだ

 

君のユメ ぼくのユメ 一緒ならうれしいね

喜びも痛みも今を彩るレシピになれ

 

今回の脱退で、私が応援しているアイドルはそこに”いる”ことが当たり前ではない、ということを実感しました。芸能界という、わたしのような一般人が想像できないくらい華やかで、残酷な世界の中から、笑顔を見せてくれる。言葉を紡いでくれる。歌って踊ってくれる。なんて幸せなことなんだろう。嬉しくて楽しい時よりも、きっと悲しくて辛い時の方が多いでしょう。それなのに表舞台に姿を見せてくれる。ありがとう。この気持ちを忘れたくなくて、文章にしました。

 

田口くん、あなたを見ることはもうなくなってしまうかもしれない。けれど、あなたは私の中でずっとアイドルです。今まで本当にお疲れ様でした、ありがとう。新たなステージで自分らしく過ごせることを願っています。

そして、KAT-TUN10周年おめでとうございます。3人での更なる飛躍、陰ながら応援しています。